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☆ ペインクリニックに関する知識

神経ブロック療法と痛み止めの違い

ペンクリニックでは主として、神経ブロック療法という特殊な注射を使い、痛みやアレルギー、自律神経失調症、リウマチなどの治療をします。詳しくはペインクリニックの権威である若杉文吉博士の「星状神経節ブロック療法」(マキノ出版ビタミン文庫)を読んでいただくとして、この神経ブロック療法は通常の「痛み止め」とは異なります。

「痛み止め」は一時的に痛みを抑えますが、薬が切れればまたもとの状態に戻ります。ところがペインクリニックで行う神経ブロック療法は即効性に加え、薬が切れても(麻酔薬そのものは20分程度で効力がなくなります)もとのような痛みが戻ってこないことが多く神経ブロック療法を繰り返して行うと、頑固な痛みでもやがては解消します。鎮痛薬を飲むと胃が荒れる方でも、ペインクリニックなら安心です。

神経ブロック療法は痛みを起こしている神経を探し、神経に直接、またはその付近に特殊な針を用いた注射器で局所麻酔薬を注射します。そうすることで痛みの信号が脳に伝わるのを遮断(ブロック)します。直接、または近くに注射するので薬の量も少量で済み、副作用の心配も少なくなります。薬の効き目は痛みをやわらげるとともに、緊張している筋肉を緩めます。そうすると血液の流れが良くなり、炎症も抑えられます。

つまり痛みの悪循環を根元から絶ち切る働きがあるので、以前のような痛みが襲ってこなくなるわけです。もし神経ブロックが効かないほどの酷い痛みであれば、それは手術適応の指標ともなります。

実際、腰椎椎間板へルニアの診断を受け、手術日まで決まっていた患者さんが、神経ブロック療法を試みたところ、一度の注射で痛みが軽減し、その後、治療に専念したところ、手術の必要がなくなったケースもあります。

神経ブロック療法でも効果があらわれなかった患者さんでも「手術をする決心がついた」と逆に喜ばれた例もあります。

想像するほど痛くない神経ブロックもちろん注射ですからある程度の痛みは伴いますが、針を刺す部分には麻酔による痛み止めを十分に行うので痛みは殆ど感じません。

また、特殊なコーティングが施された痛みの少ない注射針を使っています。

患者さんも「この程度の痛みで終わるとは思わなかった」「ものすごく痛いものだと身構えていたけど、それほどでもなかった」「注射の痛みを想像して(受診を)ためらっていたことが時間のロスだった」とおっしゃる方が多いのもペインクリニックの特徴です。

注射といえば風邪をひいた時に腕にする筋肉注射や、血管への静脈注射を想像される方が殆どでしょう。しかし神経ブロック療法では腰や首の付け根、背骨などに注射を打ちます。こう説明しますと殆どの患者さんは最初、声にならない声で「えっ?!」と驚かれます。

何やら大変だぞという感じですね。ですが、注射を打つ場所が腕だという固定観念を振り払えば抵抗はなくなります。何故、首の付け根や背骨に注射をするのか、薬がどのようにして効果を発揮するのか、痛みがやわらぐのはどうしてなのかなど、ペインクリニックの医師はわかりやすく説明を行います。こわい気持ちがなくなり、十分納得してから治療を受けても良いのです。

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